首都中心部で爆発、90人死亡=日本大使館員2人軽傷―アフガン
- 国際
- 2017年6月1日
アフガニスタンの首都カブール中心部で31日午前8時25分(日本時間同日午後0時55分)ごろ、大きな爆発があり、内務省当局者によると、90人が死亡、日本人2人を含む390人が負傷した。
ガニ大統領は声明を出し「卑劣なテロ攻撃だ」と非難した。アフガンでは2014年末、米軍を中心とする駐アフガン国際治安支援部隊(ISAF)が戦闘任務終結を宣言し、新たな国造りへ歩み始めたはずだったが、首都中枢を狙われるまで悪化した治安を世界に示した。
犯行はトラックを使った爆弾テロとみられている。AFP通信によると、液体を積載できる大きなタンクを備えた車両だった。タンク内に1500キロを超える膨大な爆薬が詰められていたもようだ。声明に先立ちガニ大統領はツイッターを通じ「聖なる断食月(ラマダン)中に、日常生活を送っている罪のない人々を標的にした」と犯行を強く批判した。現場には深さ7メートルの巨大なクレーターができたという。
爆発の衝撃で、近くにある日本大使館の窓ガラスが割れた。菅義偉官房長官は日本人職員2人が軽傷を負ったことを明らかにした。他の在留邦人は全員、無事が確認された。日本政府は大使館に緊急対策本部、外務省に連絡室を設置した。
犯行声明は出ていない。アフガンでは、外国の駐留部隊の排除を目指す反政府勢力タリバンがテロ攻撃を繰り返しているが、声明で関与を否定した。一方、過激派組織「イスラム国」(IS)もカブールで何度もテロを実行しているが、沈黙している。ISは3月、軍病院への襲撃で患者、医療関係者ら約50人を殺害した。
テロが頻発しているアフガンでも、各国大使館が立ち並ぶカブール中心部でこれほど大きな事件は異例だ。現場は大統領府から約500メートルの地点だった。
アフガン治安部隊の訓練に当たる北大西洋条約機構(NATO)の担当機関によれば、一帯には各国の大使館などが集まり、現場は警備が厳重な「グリーンゾーン」の塀のすぐ外側だった。爆発現場に近いドイツ大使館ではアフガン人警備員が死亡し、職員も負傷した。フランス大使館などの建物も被害を受けた。また、英BBC放送のアフガン人運転手が死亡し、記者4人も負傷して病院に搬送された。
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