仙台中2自殺 教諭2人が体罰、報告せず
仙台市青葉区の市立中2年の男子生徒(13)がいじめ被害を訴えて自殺した問題で、男子生徒が同校の教諭2人から体罰を受けていたことが19日、分かった。このうち1回は自殺の前日だった。市教委は「体罰と自死が関係する可能性があり得ると言わざるを得ない」として、他教員による体罰や他生徒への体罰の有無を調べる方針を示した。
体罰の事実は、19日の市議会市民教育委員会で報告した。委員会後に記者会見した市教委によると、2人はいずれも50代の男性教諭と女性教諭で、担任でなく教科の担当だった。
男性教諭は男子生徒が自殺する前日の4月25日、授業終了のあいさつの際に居眠りをしていた男子生徒を起こそうとして、頭を拳でたたいた。女性教諭は1月ごろ、授業中に私語をした男子生徒の口を10~15分間、粘着テープでふさいだ。
同校の保護者から今月18日午後9時ごろ、校長に「教諭による体罰があったと子どもが話している」と電話連絡があり、19日午前に教諭2人に確認したところ、いずれも事実を認め発覚した。
男子生徒の自殺を受け、市教委と学校は同校の教員らに個別に聞き取り調査したが、教諭2人は体罰の事実を報告しなかった一方、男子生徒の行動や授業中の態度に関する説明はしていたという。
2人は19日も授業を受け持った。学校は19日夜、男子生徒と同じ2年生の保護者らを対象にした説明会を同校で開き、体罰の事実を報告した。
市教委の大越裕光教育長は報道各社に対し、「(2人の)教員が自ら(体罰を)報告しなかったことは全く許せない」と述べ、懲戒処分も視野に厳しく対処する考えを示した。
奥山恵美子市長も取材に応じ、「体罰はあってはならず、本当に遺憾だ。保護者の方々に心からおわびを申し上げる」と謝罪。大越教育長の責任と奥山市長の任命責任については「全容(解明)の後に併せて考えさせてほしい」と話した。
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