プレゼンや説明が苦手な人もすぐに説明上手になる「言葉」と「数」とは!?
- セミナー
- 2017年4月27日
人になにかを説明する際、開口一番に使えて説明上手にもなれる“魔法の言葉”があるという。それが「ポイントは3つあります!」というフレーズだ。その詳細は後述するとして、こうした説明にまつわる実践的な知恵の数々を授けてくれるのが、『「いまの説明、わかりやすいね!」と言われるコツ』(浅田すぐる/サンマーク出版)だ。では本書の知恵を活かし、まずはこう切り出してみよう。「本書のポイントは3つあります」と。
ポイント1.なぜ、うまく説明できないのか、その理由を3つのポイントでまとめている。
ポイント2.「わかりやすい説明の条件とは」が、3つのポイントでまとめている。
ポイント3.どうすれば説明上手になれるのかが、3つの方法で示されている。
ではこうした本書の中から、説明上手になるための3つの実践的な知恵を紹介しよう。
すぐ使える知恵1. 「動詞人間」から脱却し“動作”で伝える
これから2人の上司が部下に仕事の進め方の説明をする。さて、どちらがわかりやすいだろうか?
(シチュエーション)
ある会社の営業部。上司は目標の記された紙を配りながら、部下たちにこう告げた。
上司A
「これが目標だ。各自、目標を意識して、日々の仕事をしよう」上司B
「これが目標だ。各自、机に貼り、カバンにコピーを入れて、日々見ながら仕事をしよう」
上司Aは、「目標を意識しよう」という動詞表現で説明したものの、そのためにどうすればいいかは伝えていない。上司Bは、具体的な“動作”の表現で目標意識を説明している。
著者は、上司Aのように動詞表現だけで指示・説明した気になっている人のことを「動詞人間」と呼ぶ。「お客様目線で考える」「仕事の優先順位をつける」「コミットメントする」などの抽象表現も動詞人間の典型だという。その欠点は、言われた側は「どうすればそれができるのか」が漠然としたままになること。
そこで説明上手になるための重要なポイントのひとつは、「脱・動詞人間」になり、上司Bのように「具体的な“動作”に落とし込んで伝えること」だと著者は述べている。
すぐ使える知恵2. 「過剰・網羅人間」から脱却し「代表性」で説明する
説明する際、なるべく多くの情報を詰め込もうとする人は「過剰人間」。すべての情報を網羅しようとする人を「網羅人間」と著者は呼ぶ。そのどちらも説明を複雑にする。そこで登場するのが「代表性」という考え方だ。代表性とは、説明する要素・ポイントを、全体を「代表」するいくつかの重点ポイントに絞ることである。
すぐ使える知恵3. 説明上手になるための聖なる数は「3つ」
「代表性」を効果的に行うコツは、説明要素を「3つ」に絞ること。3つが効果的な理由は、全体を代表する重点がカバーできる数である上に、相手の記憶にも留めやすく、説明がわかりやすくなるから。急に説明を求められた場合にも、まずは「ポイントは3つあります!」と宣言してしまい「説明しながら3つを考えていけばうまくいく」と著者は推奨している。
他にも情報整理術から伝え方のコツまで、元トヨタ社員だった著者が会社からも認められた独自の説明ノウハウを結集させた本書。「説明の名人になりたい」「プレゼンが苦手」「レポートを上手にまとめたい」といった人には、まさに目からウロコの一冊になるだろう。
文=町田光
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