フリーメイソンって会費いくら?「儀式」って何? 意外すぎる日常と、世界征服ができない理由
- 政治・経済
- 2017年4月27日
若者) 皆神さん、式典に忍び込んだんですか?
皆神さん) いえいえ。グランドマスターの就任式は、紹介があれば外部の人でも入れるんですよ。グランドロッジでは他にも、体の不自由な子どもを招待して「メソニック子供まつり」なんてものを毎年5月に開いてますよ。
若者) 秘密結社が「子供まつり」ってなんかシュールですね。
入会金と年会費
若者) フリーメイソンの会費って高いんですか?
皆神さん) そう高くないですよ。ロッジごとに違うそうなのですが、入会金が4万5千円くらい、年会費が8千円くらいだそうです。
若者) 意外とお手頃(笑)。秘密結社の「秘密」って、やっぱり言っちゃいけないんですか?
皆神さん) 言っちゃいけませんねえ(笑)。でも「秘密」って言っても、実はそうたいしたことでもないんですよ。フリーメイソンの秘密の入会儀式って小一時間くらいの寸劇なんですけど、その内容を外部に言っちゃダメということなんです。ただ、欧米では暴露本はいくらでも出ています。未だ日本語のものはないようですが。
若者) その「秘密の儀式」って、世界共通なんですか?
皆神さん) ああ、いい質問ですね。例えば、フリーメイソンが本当に世界を征服する気なら、まずはフリーメイソン自身が一本化してないといけないですよね? 確かに秘密の儀式の内容は基本的には共通です。しかし、先ほど言ったように「グランドロッジ」は、各国ごとにひとつずつあるわけですが、アメリカの場合は、全国を統一する全アメリカ統一のグランドロッジのようなものはないんです。州ごとなんです。何度か全米を統一するグランドロッジをつくろうとしたようなんですが、意見が違いすぎて統一できなかったんですよ。アメリカ国内ですら一本化できないわけですから、世界だとなおさらですよね。だから、世界征服なんて、まあ無理だよね、ということになるわけです。
若者) へ~。意見の違いってあるんですね。
皆神さん) それぞれの国の「グランドロッジ」って、国の外交と似ているんです。相手のグランドロッジを「同等」とみなしていれば、外交関係を結ぶし、みなしていなければ、「おまえらは本当のメイスンじゃない。自称だ」とか言って外交を断絶したりします。断絶してしまうと、フリーメイソン同士でも互いのロッジを訪問もできなくなります。ちなみに日本のグランドロッジは、日本人が少な過ぎるとか言われて、イギリスのグランドロッジから長いこと認めてもらえなかったそうです。
会員って、どれくらい?
若者) 日本にいまフリーメイソンの会員ってどれくらいいるんですか?
皆神さん) 2千人くらいでしょうか。ただ、そのうち日本人は200人ちょっとです。残りの人の多くは在日米軍の軍人さんでしょう。だから、日本の支部(ロッジ)の場所をよく見ると、米軍基地の中やその近くだったりします。佐世保とか三沢とか横須賀、岩国とかにあるんです。
若者) じゃあアメリカって会員が多いんですか?
皆神さん) アメリカの会員数は116万人だそうです。一番多かったのが1959年。その当時には410万人いたそうですから、4分の1近くまで減っちゃいましたね。でもまだこれだけいれば、アメリカ国民では、親戚とか友人とか、知り合いの中に1人くらいは誰かフリーメイソンの会員がいるっていう感じになります。でも日本では、あまり会員が増えなかったんですよ。
若者) なんでですか?
皆神さん) フリーメイソンって、自分らから勧誘しちゃダメな決まりなんです。入りたい人は、自らの意志でやって来なくちゃいけない。でも秘密結社だから、外から見れば誰が会員かわからないし、そもそもどこにロッジがあるかもわからないでしょ。なので、全然会員が増えず。実はいまフリーメイソンが抱える最大の悩みは少子高齢化です。それは、アメリカも同じです。
若者) そうやって聞くと、全然怪しい団体じゃないですよね。
皆神さん) そうですよ。たとえば、アメリカ人から「うちの親戚のおじさん、メイスンに入って世界征服をたくらんで困るんだよね」なんて話、聞いたことないでしょ? フリーメイソンによる「世界征服」とかは全くの都市伝説です。
――陰謀渦巻く秘密の組織かと思いきや、「子供まつり」まで開くオープンハートぶり。若者たちは、楽しく皆神さんのお話に聴き入っていました。
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