非常食の準備は? 熊本、ワースト4位⇒急上昇7位に 九州6県は低迷 気象情報会社調査
- 政治・経済
- 2017年3月27日
地震などの災害時に備えて対策を取っている家庭の割合が、九州7県では熊本が突出して高いことが気象情報会社ウェザーニューズ(千葉市)の今年の全国調査で分かった。熊本は、非常食の準備や家具の固定などの割合が昨年4月の熊本地震前の調査から大幅に増加。いずれも全国で10位以内だった。一方、他の6県は低調で、熊本地震の教訓が九州全域に広がっていない現状も浮き彫りになった。専門家は早急な備えを呼び掛けている。
同社が47都道府県の延べ2万9千人を対象に3月に実施した調査によると、水や食料など非常食の準備をしているのは、熊本が74%で九州1位、全国で7位だった。熊本はワースト4位だった昨年2月の調査から16ポイントアップした。熊本地震の直後に支援物資が不足した実体験が影響したとみられる。熊本地震で家屋被害などがあった大分は65%で全国18位。九州の最下位は福岡で55%だった。全国1位は、東日本大震災を経験した宮城の77%。
「何日分の非常食を備えているか」では、熊本が2・5日分で全国8位。ワースト2位だった昨年調査(1・5日分)から急上昇した。南海トラフ地震で大津波による被害が予想される宮崎県は全国平均と同じ2・2日分。他の九州5県は平均を下回った。
家や家具への対策の実施率でも、熊本が昨年の38%から55%にアップ。宮城に続き全国2位となった。マグニチュード7以上の地震を起こす可能性が高いとされる主要活断層帯「警固断層帯」などがあり、専門家が警鐘を鳴らす福岡は32%。佐賀、長崎、鹿児島も約3割と低かった。
防災士で東日本大震災、熊本地震を経験した熊本県和水町の柳原志保さん(44)は「最低3日間は自分たちでしのげる備蓄が必要。住宅の耐震化、家具の固定以外にも、避難する動線を確保できるよう家具を配置するなど、できることから始めてほしい」と話した。
西日本新聞
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