「詐欺遭わぬ」高齢者ほど過信=対策実施率は低く-内閣府初調査
- 詐欺・悪徳商法
- 2017年3月12日
振り込め詐欺など特殊詐欺について、高齢者ほど「自分はだまされない」と過信する割合が高く、被害防止策の実施率は低い-。こんな傾向が11日公表された内閣府の「特殊詐欺に関する世論調査」で分かった。70歳以上では、5割超が「自分は被害に遭わない」と考える一方、非通知電話の拒否を「行っている」あるいは「行いたい」と答えたのは2割台にとどまった。
特殊詐欺の意識調査は初めて。18歳以上の男女3000人が対象で、1月に個別面接方式で行われた。有効回収率は62.6%。
詐欺被害に「自分は遭わない」と強い自信を示した人は、70歳以上で50.7%と最も高かった。60代は42.9%、50代は37.9%、40代は34.7%と徐々に低くなっている。「どちらかと言うと自分は遭わない」と弱めの自信を示した回答も合わせると、20代から70代以上の各世代とも8割程度となり、さほど差はなかった。
被害防止策として一定の効果があるとされる非通知電話拒否を「行っている」「行いたい」とする回答は全体平均で40.5%。世代別に見ると、70歳以上は22.5%と最も低く、60代は39.2%、50代は48.2%、40代は49.3%と若くなるにつれ上昇し、30代は54.9%に上った。
他の対策の実施・希望を聞いたところ、「電話番号表示機能の活用」が43.5%、「新聞やテレビから手口に関する情報を収集」が43.2%、「家族で合言葉などを決めておく」が23.5%だった。一方、「何もしていない」は全体で14.4%、70歳以上では23.9%だった。
警察庁によると、2016年の特殊詐欺認知件数は1万4151件。このうち65歳以上の高齢者が被害者となったのは1万1041件で、8割近くに上っている。
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