恐怖の「DMM」偽メール拡散中 一度応じると次々にむしり取られて… 消費者庁「被害総額1億9100万円」
- 詐欺・悪徳商法
- 2017年3月4日
動画配信サービス「DMM.com」をかたってSMS(ショートメール)を送り付け、情報サイト利用料名目で金銭を請求されるなどした相談が全国各地の消費生活センターに寄せられ、1年間の被害が総額約1億9100万円に上ることが、消費者庁の調べで分かった。
実在する「DMM.com」とは無関係の偽業者の仕業で、「DMMをかたる偽業者の摘発後も被害は後を絶たない」(同庁)。複数の犯行グループが手を替え品を替え犯行に及んでいるとみられ、事態はイタチごっこの様相を呈している。
同庁によると、「DMM相談窓口」「DMMコンテンツ」などと実在の企業名を一部に用いた架空名義を勝手に記したメッセージを、消費者のスマホなどへほぼ無作為に送信している。
文面はさまざまなパターンがあるようだが、「有料コンテンツの利用料金の支払確認が取れません。本日中に連絡なき場合、訴訟手続きに移行します」などとして架空請求を行い、架電を要求するものが大半だ。
名簿業者から入手したデータを基にメールを送りつけているとの見方もある。
不安を覚えた人が電話をかけると、偽業者は具体的な金額を挙げ「サイト利用料が未払いになっています」と虚偽の説明を聞かせ、「裁判になったら、もっとお金がかかるので、すぐに支払った方がよい」などと脅す。
コンビニで「Amazonギフト券」などを購入させて、ギフト券番号を電話で連絡するように指示し、金銭を詐取する手口だという。
1度でも支払った人に対しては、「他にも未払いがある」と再び架空請求をでっち上げて脅し、何度も金銭を要求するのも特徴。要求から逃げられず、次々に金銭をむしり取られ、被害額が約1200万円にふくれあがった人もいたという。
同庁によると、消費センターなどへの相談件数は2015年5月~12月の7カ月間で約2千件だったが、16年2月~17年2月の1年間では約2万3700件へ急増した。直近1年間の被害総額は計約1億9100万円で、1件あたりの被害額は約31万円に上った。
事態を重く見たDMM.comは、公式サイトで「DMMを装った架空請求にご注意ください」と注意を呼びかけるとともに、詐欺の事例や相談窓口について説明している。
消費者庁は「偽メールが届いても絶対に連絡しないように」と注意を呼びかけている。不審に思った場合は消費者ホットライン(188)や警察相談専用電話(#9110)の利用を促している。
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