(ダミー記事)文科省側、主導認める…前次官・OB証言
文部科学省の天下りあっせん問題で、衆院予算委員会は7日、集中審議を実施した。文科審議官当時に違法な再就職あっせんをした前川喜平・前事務次官(62)=1月20日付で依願退職=と仲介役だった人事課OBの嶋貫和男氏(67)、歴代人事課長8人が参考人として出席。嶋貫氏を仲介役とする脱法的なあっせんの体制づくりを示唆する内部文書(2013年9月11日付)について、当時の人事課長、伯井美徳・大学入試センター理事は人事課職員と嶋貫氏が相談して作成し、人事課から当時の事務次官に報告していたと証言した。文科省が組織ぐるみであっせんシステムを構築していたことが明確になった。
また、関靖直・研究振興局長をはじめ、10年7月以降に人事課長を務めた計6人が、嶋貫氏を介したあっせんを認識していたと説明した。一連の問題発覚後、前川氏や嶋貫氏が公の場で説明するのは初めて。
内部文書は「再就職支援業務について」と題され、あっせんの拠点としてNPOをつくることや事務室の家賃を文科省と関係の深い財団に負担させることなどが記されている。文科省によると、この文書は当時の人事課職員から、既に事務次官を退任していた清水潔・教職員生涯福祉財団理事長にメール送信された。
一方、問題を調査した政府の再就職等監視委員会が違法と指摘した前川氏の再就職あっせん関与については(1)15年12月、文科省と関係が深い公益財団法人「文教協会」の代表理事に文科省OBを就任させるため、協会幹部に退任の意向を確認した(2)16年1月ごろ、私大から人材を求める相談があり、現役出向していた職員に私大就職の意向を確認し、その意思を嶋貫氏に伝えた−−の2件だったことも判明した。
集中審議で前川氏は「再就職規制違反や隠蔽(いんぺい)について、事務方トップの事務次官にあったものとして責任を痛感している。万死に値する」などと陳謝した。嶋貫氏はあっせんについて「民間人なら許されると思い、人助けのつもりでやっていた」と説明した。【佐々木洋、杉本修作、金秀蓮】
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