米最高裁判事に保守派ゴーサッチ氏、トランプ大統領が指名
- 国際
- 2017年2月1日
トランプ米大統領は31日、空席となっている連邦最高裁判事にニール・ゴーサッチ氏(49)を指名した。ゴーサッチ氏はコロラド州デンバーの第10巡回控訴裁判所の判事で、任命はジョージ・W・ブッシュ政権下の2006年。
最高裁判事は保守派スカリア判事が2016年2月に死去して以降、欠員となっていた。議会でゴーサッチ氏の指名が承認されれば、最高裁判事9人の中で保守派が再び優位となる。最高裁判事は終身制。ゴーサッチ氏は過去25年余りで最も若い最高裁判事候補であり、指名が承認されれば、今後数十年にわたり重要テーマを扱う最高裁の判断に影響を与える可能性がある。
ホワイトハウスで大統領から指名を受けたゴーサッチ氏は「米国の法秩序において、新法を策定するのは議会であり裁判所ではないという事実を尊重する」と表明。「国民を代表する議員が策定した法律を変えるのではなく、適用するのが判事の役目だ」と語った。
トランプ大統領は、共和党と民主党が最高裁判事の指名承認で協力することに期待すると述べた。
ただ、一部の民主党上院議員は先に、トランプ氏が指名する候補は承認しないと表明している。
民主党のシューマー上院院内総務は、ゴーサッチ氏の指名について「非常に深刻な疑念がある」と表明。民主党が上院での指名承認にあたり、フィリバスター(議事妨害)を行使する方針を示唆した。
その場合、現行ルールでは審議打ち切りには60票の賛成が必要で、現在52議席の共和党は民主党の協力が不可欠となる。
ゴーサッチ氏は信仰の自由を重視し、安楽死や自殺ほう助に反対する立場で知られ、保守派の代表格だったスカリア判事とほぼ同じ考えの持ち主とみなされている。
リベラル派はゴーサッチ氏の指名に強く反対する一方、保守派グループや共和党上院議員は同氏を高く評価している。
ゴーサッチ氏はオバマ前大統領と同じ1991年にハーバード大学ロースクールを卒業。同氏の母親はレーガン政権下で女性初の環境保護局(EPA)長官に就任したアン・バーフォード氏。
オバマ前大統領はスカリア最高裁判事の急逝を受け、後任に連邦控訴裁のガーランド判事を指名したが、上院で過半数を占める共和党が指名承認に向けた審議を拒否したため、同ポストは1年近くにわたって空席となっていた。
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