女性虐待の通報放置 尼崎東署は記録も捜査もせず、3カ月後保護される
今年1月、女性(27)が虐待されている疑いがあると連絡を受けたにもかかわらず、尼崎東署が記録に残さず、捜査していなかったことが28日、同署への取材で分かった。女性はその後、鼓膜を破られるなどのけがを負い、4月、同居する知人男女のもとから逃げだしたところを兵庫県警が保護。県警は今月12日、女性を負傷させたとしてこの男女を傷害容疑で逮捕した。
同署によると1月20日、兵庫県西宮こども家庭センターから同署に「若い女性が左目にあざをつくっているのを見掛けたと、住民から通報を受けた。尼崎東署に電話したが、『何もできないと言われた』とも聞いた。確認してほしい」と連絡があった。
対応した同署生活安全課の男性課員が調べた上で、「(住民からの)通報の記録は残っていない」と返答。こうしたやり取りを記録せず、上司にも報告しなかったため、捜査が一切行われなかった。
しかし今年4月、顔にけがをしていた女性を県警が神戸市内のスーパーで保護。事情を聴いたところ、3月に虐待を受けていたことが発覚したという。
県警は今月12日、女性の顔を殴るなどして鼓膜を破ったとして、傷害容疑でこの男女を逮捕。同署によると、女性は6年前から男女のもとに身を寄せていたという。現在は、県内の施設に保護されている。
同署の吉野泰司副署長は「最初に連絡を受けた際、現場に行くなど早急に対応すべきだった」と話した。
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