<中国道母娘死亡>タイヤ落とし主捜査 通報中に事故か
- 政治・経済
- 2017年10月20日
岡山県津山市の中国自動車道上り線で軽乗用車と大型トレーラー(約20トン)が相次いで落下物のタイヤに乗り上げ、路肩に避難していた親子が死亡した事故で、県警はタイヤが先行車の積載物かスペア用だった可能性が高いとみて、自動車運転処罰法違反(過失致死傷)などの容疑を視野に捜査を始めた。付近の料金所の通行記録や映像などを分析し、車両の特定を進める。
落ちていたタイヤは1個で直径約1メートルの大型トラック用。ホイール付きで、新品ではないという。
死亡したのは広島市安芸区の歯科技工士、中村美香さん(49)と長女の大学生、亜美さん(21)=岡山市北区。親子が乗った軽乗用車は追い越し車線でタイヤと衝突。前部が壊れて走行不能になった。どちらが運転していたかは不明。親子はすぐにガードレール外の路肩に避難した。
亜美さんが「タイヤを踏みつけて車が動かない。安全なところにいる」と110番通報。警察官に車のナンバーを聞かれ、「見に行きましょうか」と答えたが、警察官が止めたという。直後に後続のトレーラーがタイヤに乗り上げて横転し、2人に向かって突っ込んだとみられる。電話は通話中に途切れた。トレーラーを運転していた同県真庭市のトラック運転手、渡辺和彦さん(47)も頭に軽傷を負った。
現場は片側2車線のほぼ直線道路。当時は雨天で照明設備はなく、視界は悪かったとみられる。親子は鳥取県にいる親族に会いに行く途中。渡辺さんは兵庫県方面へ石灰を運んでいた。【益川量平】
◇落下物で事故 立件の場合も
西日本高速道路によると、同社管内では昨年度、約13万1000件の落下物があった。最も多いのは、ペットボトルなどのプラスチック類。次いでタイヤやホイールといった自動車部品、木材の順に続く。重大な事故を引き起こし、落とし主が立件されるケースもある。
県警高速隊や同社によると、落下物に衝突して車が壊れ、道路上にやむを得ず停止した場合、ハザードランプや発炎筒などで後続車に知らせることが望ましい。亡くなった親子がハザードランプを点滅させたかは不明だが、高速隊は「路肩のガードレールの外など安全な場所に避難し、110番通報するか高速道路会社に連絡してほしい。今回、親子が事故後に取った行動は適切だった」としている。
一言コメント
落とし主がみつかり、落下物がなくなることを祈ります。
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